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株用語辞典②|決算・財務・株価指標

決算書の読み方から、PER・PBR・ROEといった株価指標、キャッシュフロー、業績予想、株主還元まで。会社の「中身」を数字で見るための言葉を、式→日本語→数値例の順でやさしくまとめた。

この編は「決算・財務・株価指標」編。第1弾(売買と基本)を読んでからだと分かりやすい。指標は「何を表すか」と「高い/低いの見方」をセットで押さえるのがコツ。下の検索欄や目次から引ける。
1. 売買と基本 →2. 決算・財務・指標(今ここ)3. 信用・増資・M&A・応用 →
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600語以上から、初心者がまず使う34語だけを8ジャンルに体系化しました。
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決算短信有価証券報告書四半期決算連結決算単体決算売上高売上総利益粗利販売管理費営業利益営業外収益営業外費用経常利益特別利益特別損失減損損失税引前利益純利益親会社株主帰属利益包括利益増収増益限界利益損益分岐点固定費変動費損益計算書持分法利益財務三表貸借対照表流動資産固定資産流動負債固定負債純資産自己資本総資産自己資本比率有利子負債ネットキャッシュ利益剰余金資本剰余金債務超過流動比率当座比率固定比率固定長期適合率負債比率D/EレシオネットD/Eレシオインタレスト・カバレッジ・レシオのれん減価償却引当金貸倒引当金退職給付債務繰延税金資産繰延税金負債実効税率税効果会計会計方針会計基準日本基準IFRS米国会計基準偶発債務非支配株主持分財務健全性安全性キャッシュフロー計算書営業キャッシュフロー投資キャッシュフロー財務キャッシュフローフリーキャッシュフローフリーキャッシュフロー利回り営業キャッシュフローマージン運転資本売上債権買入債務棚卸資産CCCキャッシュ・コンバージョン・サイクル現金及び現金同等物PERPBRROEROAEPSBPS株主資本コスト営業利益率粗利益率原価率総資産回転率在庫回転率売掛金回転率EBITDAEBITEBITDAマージン割安性収益性成長性収益構造事業ポートフォリオセグメントセグメント利益市場シェア売上成長率利益成長率CAGRLTVCACユニットエコノミクス業績予想会社予想会社計画市場予想コンセンサス上方修正下方修正業績予想修正織り込み済みサプライズ決算進捗率前年同期比前期比通期予想通期業績中間業績四半期業績受注高受注残高バックログ稼働率客単価販売数量解約率継続率ARPU配当性向配当方針総還元性向累進配当DOE配当維持株主還元
まず覚えたい重要語(19): 決算短信 売上高 営業利益 純利益 財務三表 貸借対照表 自己資本比率 キャッシュフロー計算書 営業キャッシュフロー フリーキャッシュフロー PER PBR ROE EPS 業績予想 コンセンサス 上方修正 下方修正 配当性向
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1. 決算のきほんと損益
会社が一定期間のもうけを報告するのが決算。売上から順に費用を引いていく「損益計算書」の階段を理解すれば、どこで稼ぎ、どこで削られているかが見える。

決算短信

入門最重要
けっさんたんしん / earnings report|ジャンル:決算のきほんと損益

一言で会社が決算のたびに素早く公表する、業績のまとめ資料。投資家がまず見る。

くわしく売上・利益や次期の会社予想が載る。四半期ごとに出て、株価が最も動くイベントの一つ。

有価証券報告書

基礎
ゆうかしょうけんほうこくしょ|ジャンル:決算のきほんと損益

一言で会社が年1回、詳しくまとめる法定の開示書類。事業リスクや役員報酬まで載る。

関連:決算短信

IR

入門
あいあーる / investor relations|ジャンル:決算・企業分析

一言で企業が投資家に向けて経営・業績・戦略の情報を発信する活動。Investor Relations の略。

くわしく決算説明会の資料、統合報告書、適時開示などが代表例。個人投資家が一次情報にあたる入口であり、投資判断はIR資料で裏を取るのが基本。IRの丁寧さは、株主をどれだけ大切にしているかを測る一つの目安にもなる。

四半期決算

入門
しはんきけっさん / quarterly|ジャンル:決算のきほんと損益

一言で3か月ごとに区切って出す決算。年4回、進捗を確認できる。

連結決算

基礎
れんけつけっさん / consolidated|ジャンル:決算のきほんと損益

一言で親会社と子会社をまとめた、グループ全体の決算。基本はこちらで見る。

単体決算

基礎
たんたいけっさん|ジャンル:決算のきほんと損益

一言で親会社だけの決算。グループを見るなら連結を使う。

関連:連結決算

売上高

入門最重要
うりあげだか / revenue / sales|ジャンル:決算のきほんと損益

一言で本業で商品やサービスを売って得た総額。損益計算書の一番上(トップライン)。

くわしく会社の事業規模を表す。ここから費用を順に引いて各段階の利益が出る。

売上高営業利益経常利益純利益−原価・販管費±営業外±特別・税

売上総利益

基礎
うりあげそうりえき / gross profit|ジャンル:決算のきほんと損益

一言で売上高から原価を引いた利益。いわゆる「粗利」。商品そのものの儲けの力。

売上高営業利益経常利益純利益−原価・販管費±営業外±特別・税
関連:粗利原価率

粗利

入門
あらり|ジャンル:決算のきほんと損益

一言で売上総利益のこと。売値と仕入れ・原価の差。

販売管理費

基礎
はんばいかんりひ / SG&A|ジャンル:決算のきほんと損益

一言で販売や管理にかかる費用(人件費・広告・家賃など)。販管費と略す。

関連:営業利益

営業利益

入門最重要
えいぎょうりえき / operating profit|ジャンル:決算のきほんと損益

一言で本業のもうけ。売上総利益から販管費を引いた、事業の実力を示す利益。

くわしく会社が“本業でどれだけ稼げているか”の中心指標。ここが伸びているかを最重視する投資家は多い。

売上高営業利益経常利益純利益−原価・販管費±営業外±特別・税
例:売上100億・原価60億・販管費25億なら、粗利40億→営業利益15億。
間違えやすい点:「最終利益(純利益)だけ見る」のは危うい。純利益は特別要因で膨らむことがあり、本業の力は営業利益で見る。

営業外収益

基礎
えいぎょうがいしゅうえき|ジャンル:決算のきほんと損益

一言で本業以外の収益(受取利息・配当・為替差益など)。

営業外費用

基礎
えいぎょうがいひよう|ジャンル:決算のきほんと損益

一言で本業以外の費用(支払利息など)。

経常利益

基礎
けいじょうりえき / ordinary profit|ジャンル:決算のきほんと損益

一言で営業利益に、本業以外の損益(利息・為替など)を加えた利益。“けいつね”。

くわしく財務や為替の影響も含めた、会社の通常の実力。

売上高営業利益経常利益純利益−原価・販管費±営業外±特別・税

特別利益

基礎
とくべつりえき|ジャンル:決算のきほんと損益

一言で資産売却益など、その期かぎりの一時的な利益。

特別損失

基礎
とくべつそんしつ|ジャンル:決算のきほんと損益

一言でリストラ費用・災害損失など、その期かぎりの一時的な損失。

関連:減損損失

減損損失

基礎
げんそんそんしつ / impairment|ジャンル:決算のきほんと損益

一言で買収したのれんや設備の価値が下がったとき、帳簿価値を切り下げて計上する損失。

くわしく将来の稼ぐ力の低下を認めた合図。大きな減損は純利益を一気に押し下げる。

税引前利益

基礎
ぜいびきまえりえき / pretax profit|ジャンル:決算のきほんと損益

一言で特別損益まで反映し、税金を引く前の利益。

純利益

入門最重要
じゅんりえき / net profit|ジャンル:決算のきほんと損益

一言ですべての費用と税金を引いて最後に残る利益。ボトムライン(最終利益)。

くわしく配当やEPSのもとになる。ただし特別損益で振れやすく、本業の実力は営業利益で確認する。

売上高営業利益経常利益純利益−原価・販管費±営業外±特別・税
例:税引前利益20億・税金6億なら純利益14億。

親会社株主帰属利益

基礎
おやがいしゃかぶぬしきぞくりえき|ジャンル:決算のきほんと損益

一言で連結純利益のうち、親会社の株主に帰属する分。EPSはこれで計算する。

包括利益

応用
ほうかつりえき / comprehensive income|ジャンル:決算のきほんと損益

一言で純利益に、保有株の評価差額など未実現の損益も加えた利益。

増収増益

入門
ぞうしゅうぞうえき|ジャンル:決算のきほんと損益

一言で売上(収)も利益(益)も前より増えること。理想的な決算の形。

間違えやすい点:減収減益はその逆。

限界利益

応用
げんかいりえき / marginal profit|ジャンル:決算のきほんと損益

一言で売上から変動費を引いた利益。固定費を回収する原資になる。

損益分岐点

基礎
そんえきぶんきてん / break-even point|ジャンル:決算のきほんと損益

一言で売上と総費用が等しくなり、利益がゼロになる売上高。ここを超えると黒字。

くわしく固定費 ÷(1−変動費率)で求める。低いほど不況に強い。

売上高総費用損益分岐点交点より右で黒字、左で赤字
関連:固定費変動費

固定費

基礎
こていひ / fixed cost|ジャンル:決算のきほんと損益

一言で売上の増減に関わらずかかる費用(家賃・人件費など)。

関連:変動費

変動費

基礎
へんどうひ / variable cost|ジャンル:決算のきほんと損益

一言で売上に応じて増減する費用(材料費など)。

関連:固定費

損益計算書

基礎
そんえきけいさんしょ / P/L|ジャンル:決算のきほんと損益

一言で一定期間のもうけ(売上→各段階の利益)を示す決算書。PLとも。

売上高営業利益経常利益純利益−原価・販管費±営業外±特別・税

持分法利益

応用
もちぶんほうりえき|ジャンル:決算のきほんと損益

一言で持分法適用会社(関連会社など)から取り込む利益。

関連:持分法適用会社
この章の要点:決算短信/有価証券報告書/四半期決算/連結決算/売上高/売上総利益/販売管理費 は最低限おさえておきたい。
2. 財務諸表と会社の安全性
ある時点の財産の一覧が「貸借対照表(BS)」。何を持ち(資産)、いくら借り(負債)、いくら自分のもの(純資産)かが分かる。倒れにくさ=安全性もここで読む。

財務三表

基礎最重要
ざいむさんぴょう / three statements|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で損益計算書(PL)・貸借対照表(BS)・キャッシュフロー計算書(CF)の3点セット。

くわしくもうけ・財産・現金の流れを、3つの表で立体的に見る。3つはつながっている。

損益計算書もうけ(PL)貸借対照表財産(BS)CF計算書お金の流れ財務三表

貸借対照表

基礎最重要
たいしゃくたいしょうひょう / balance sheet|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言である時点の財産の一覧。左=資産、右=負債+純資産で、左右がつり合う(BS)。

くわしく会社が何を持ち(資産)、そのお金をどこから調達したか(負債・純資産)が分かる。

貸借対照表(左右がつり合う)資産何を持っているか負債借りているお金純資産自分のお金

流動資産

基礎
りゅうどうしさん / current assets|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で1年以内に現金化しやすい資産(現金・売掛金・在庫など)。

固定資産

基礎
こていしさん / fixed assets|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で長く使う資産(土地・建物・設備など)。

流動負債

基礎
りゅうどうふさい / current liabilities|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で1年以内に返す負債(買掛金・短期借入など)。

固定負債

基礎
こていふさい|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で返済が1年より先の負債(長期借入・社債など)。

純資産

基礎
じゅんしさん / net assets|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で総資産から負債を引いた、正味の自分のお金。株主資本の中心。

自己資本

基礎
じこしほん / equity|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で純資産のうち株主に帰属する部分。返済不要の“自分のお金”。

総資産

基礎
そうしさん / total assets|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で会社が持つ資産の合計(=負債+純資産)。

自己資本比率

基礎最重要
じこしほんひりつ / equity ratio|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で総資産のうち自己資本が占める割合。高いほど財務が安全とされる。

たとえると:住宅購入に置き換えると、家の代金のうち自己資金で払った割合。自己資本比率が高い会社は借金への依存が小さく、景気悪化時にも耐えやすい傾向がある。

くわしく自己資本 ÷ 総資産。借金に頼らず自前の資本が厚いほど、不況や金利上昇に強い。

自己資本比率=自己資本 ÷ 総資産自己資本負債この緑の割合が高いほど、財務は安全とされる
例:自己資本40億・総資産100億なら自己資本比率40%。
間違えやすい点:「高ければ高いほど良い」とも限らない。過度に低リスクだと資本効率(ROE)が落ちることもある。
関連:有利子負債ROE

有利子負債

基礎
ゆうりしふさい / interest-bearing debt|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で利息を払う必要のある借金(借入金・社債)。多いほど金利上昇に弱い。

ネットキャッシュ

応用
ねっときゃっしゅ / net cash|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で現金など−有利子負債。プラスなら実質“無借金”に近い。

利益剰余金

基礎
りえきじょうよきん / retained earnings|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で過去の利益のため。配当や再投資の原資。

資本剰余金

応用
しほんじょうよきん|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で増資などで集めた資本に関する余剰金。

債務超過

基礎
さいむちょうか / insolvency|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で負債が資産を上回り純資産がマイナスの状態。上場廃止の要因にも。

関連:純資産

流動比率

応用
りゅうどうひりつ / current ratio|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で流動資産 ÷ 流動負債。短期の支払い能力の目安で、200%前後なら安心とされる。

関連:当座比率

当座比率

応用
とうざひりつ / quick ratio|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で在庫を除いた、より厳しい短期支払い能力の指標。

固定比率

応用
こていひりつ|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で固定資産 ÷ 自己資本。長期資産を自前資本でどれだけ賄えているか。

固定長期適合率

応用
こていちょうきてきごうりつ|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で固定資産 ÷(自己資本+固定負債)。設備投資の資金の健全性を見る。

負債比率

応用
ふさいひりつ|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で負債 ÷ 自己資本。借入への依存度。

D/Eレシオ

応用
でぃーいーれしお / debt-equity ratio|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で有利子負債 ÷ 自己資本。財務レバレッジ(借入依存)の代表指標。

ネットD/Eレシオ

応用
ねっとでぃーいーれしお|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で現金を差し引いた実質の借入依存度。

たとえると:会社の借金から手元現金を差し引き、自己資本と比べた「実質的な借金の重さ」。借金100万円でも現金80万円なら、実質負担は20万円と考える。

インタレスト・カバレッジ・レシオ

応用
いんたれすとかばれっじれしお|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で営業利益などで、支払利息を何倍まかなえるか。返済余力の指標。

のれん

基礎
のれん / goodwill|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で買収額が、買った会社の純資産を上回った差額。ブランドや将来性の“上乗せ分”。

たとえると:人気店を買収するとき、建物や設備の価値を超えて支払う「看板代・常連客代」のようなもの。期待した利益が出なければ、後から減損が必要になる。

くわしく買収でよく生じ、貸借対照表には無形資産として載る。買収先が期待外れだと減損損失として一気に費用化され、その分だけ純資産(BPS)が減り、PBRが上がって見える。低PBR株では、資産にのれんが多く積まれていないか要確認。

減価償却

基礎
げんかしょうきゃく / depreciation|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で設備などの費用を、使う期間に分けて計上する会計処理。現金は出ていかない。

くわしく利益は減るが現金は減らないため、キャッシュフローでは足し戻される。

引当金

応用
ひきあてきん / provision|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で将来の費用・損失に備えて、前もって計上しておくお金。

貸倒引当金

応用
かしだおれひきあてきん|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で回収できなくなりそうな債権に備える引当金。

退職給付債務

応用
たいしょくきゅうふさいむ|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で将来支払う退職金・年金の見積もり債務。

繰延税金資産

応用
くりのべぜいきんしさん / DTA|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で将来の税負担を減らせる見込みを資産計上したもの。回収可能性が問われる。

たとえると:今は使えないが、将来の税金を減らせる可能性があるクーポン券のような資産。ただし将来十分な利益が出なければ、そのクーポンは使えず価値を取り崩すことがある。

繰延税金負債

応用
くりのべぜいきんふさい / DTL|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で将来の税負担の増加を見込んで計上する負債。

実効税率

応用
じっこうぜいりつ / effective tax rate|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で税引前利益に対して、実際に負担した税金の割合。

税効果会計

応用
ぜいこうかかいけい|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で会計上の利益と税務上の利益のズレを調整する会計処理。

会計方針

応用
かいけいほうしん|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で会社が採用する会計処理のルール。変更は業績比較に影響する。

会計基準

基礎
かいけいきじゅん|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で決算を作るときの共通ルール。日本基準・IFRS・米国基準などがある。

関連:IFRS

日本基準

基礎
にほんきじゅん|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で日本の会計基準。多くの国内企業が採用。

IFRS

基礎
あいえふあーるえす|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で国際会計基準。海外展開する大企業が採用。のれんを定期償却しないなど日本基準と違いがある。

関連:会計基準

米国会計基準

応用
べいこくかいけいきじゅん / US GAAP|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で米国の会計基準。米国上場企業などが採用。

偶発債務

応用
ぐうはつさいむ|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で訴訟や保証など、将来発生するかもしれない債務。注記で開示される。

非支配株主持分

応用
ひしはいかぶぬしもちぶん / minority interest|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で連結子会社のうち、親会社以外の株主に属する持分。

財務健全性

基礎
ざいむけんぜんせい|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で借金の少なさや資本の厚さなど、倒れにくさの度合い。

安全性

基礎
あんぜんせい|ジャンル:財務諸表と会社の安全性

一言で会社が資金繰りで行き詰まらないか、倒れにくいかを見る視点。

くわしく自己資本比率・流動比率・有利子負債などで測る。収益性・成長性と並ぶ分析の3本柱。

この章の要点:財務三表/貸借対照表/純資産/自己資本/自己資本比率/有利子負債/債務超過 は最低限おさえておきたい。
3. キャッシュフロー
利益が出ていても、現金が回らなければ会社は倒れる(黒字倒産)。実際のお金の出入りを見るのがキャッシュフロー。利益との違いを押さえるのが肝心だ。

キャッシュフロー計算書

基礎最重要
きゃっしゅふろーけいさんしょ / cash flow statement|ジャンル:キャッシュフロー

一言で現金が実際にどう増減したかを、営業・投資・財務の3区分で示す決算書(CF)。

くわしく利益は会計上の数字だが、CFは“実際のお金”。利益と現金がずれる理由が読める。

キャッシュフロー計算書営業CF本業で稼いだ現金投資CF設備・投資の出入り財務CF借入・返済・配当

営業キャッシュフロー

基礎最重要
えいぎょうきゃっしゅふろー / operating CF|ジャンル:キャッシュフロー

一言で本業でどれだけ現金を稼いだか。プラスで安定していることが健全さの基本。

くわしく利益が出ていても営業CFがマイナスなら、売掛金や在庫に現金が寝ている可能性。要注意。

間違えやすい点:「利益=現金」ではない。利益が黒字でも営業CFがマイナスの会社は資金繰りに注意。

投資キャッシュフロー

基礎
とうしきゃっしゅふろー / investing CF|ジャンル:キャッシュフロー

一言で設備投資やM&A、有価証券の売買による現金の出入り。成長企業は通常マイナス。

財務キャッシュフロー

基礎
ざいむきゃっしゅふろー / financing CF|ジャンル:キャッシュフロー

一言で借入・返済・増資・配当・自社株買いによる現金の出入り。

関連:自社株買い(→第3弾)

フリーキャッシュフロー

基礎最重要
ふりーきゃっしゅふろー / free cash flow|ジャンル:キャッシュフロー

一言で営業CF−投資CF。会社が自由に使える現金。配当・返済・自社株買いの原資。

たとえると:家計でいう「給料から生活費と必要な設備購入を引いた後、自由に使えるお金」。配当、自社株買い、借金返済、買収などの原資になる。

くわしく多いほど財務の自由度が高い。企業価値の評価でも重視される。

営業CF投資CFフリーCF自由に使える現金
例:営業CF 80億・投資CF −30億なら、フリーCFは50億。
関連:FCF利回り/営業キャッシュフロー

フリーキャッシュフロー利回り

応用
ふりーきゃっしゅふろーりまわり / FCF yield|ジャンル:キャッシュフロー

一言でフリーCF ÷ 時価総額。株価に対して現金をどれだけ生むかの割安性指標。

営業キャッシュフローマージン

応用
えいぎょうきゃっしゅふろーまーじん|ジャンル:キャッシュフロー

一言で営業CF ÷ 売上高。売上をどれだけ現金化できているか。

運転資本

応用
うんてんしほん / working capital|ジャンル:キャッシュフロー

一言で事業を回すのに必要な資金(売上債権+在庫−買入債務)。増えると現金を圧迫する。

関連:CCC

売上債権

応用
うりあげさいけん|ジャンル:キャッシュフロー

一言で商品を売ったがまだ回収していない代金(売掛金・受取手形)。

買入債務

応用
かいいれさいむ|ジャンル:キャッシュフロー

一言で仕入れたがまだ払っていない代金(買掛金・支払手形)。

棚卸資産

応用
たなおろししさん / inventory|ジャンル:キャッシュフロー

一言でまだ売れていない在庫。増えすぎは資金と将来の評価損のリスク。

CCC

応用
しーしーしー / cash conversion cycle|ジャンル:キャッシュフロー

一言で仕入れの支払いから売上の回収までにかかる日数。短いほど資金効率が良い。

キャッシュ・コンバージョン・サイクル

応用
きゃっしゅこんばーじょんさいくる|ジャンル:キャッシュフロー

一言でCCCの正式名称。現金が戻ってくるまでの日数。

たとえると:商品を仕入れるために現金を払ってから、販売代金を回収するまでの日数。飲食店なら、食材を買った日から料理代が入るまでが短いほど資金繰りは楽になる。
関連:CCC

現金及び現金同等物

基礎
げんきんおよびげんきんどうとうぶつ|ジャンル:キャッシュフロー

一言で手元の現金や、すぐ換金できる短期の預金など。CF計算書の期末残高。

この章の要点:キャッシュフロー計算書/営業キャッシュフロー/投資キャッシュフロー/財務キャッシュフロー/フリーキャッシュフロー/運転資本 は最低限おさえておきたい。
4. 株価指標・企業分析
会社の“中身”と株価を結びつけるのが株価指標。PER・PBR・ROEは三大指標。式だけでなく「高い/低いをどう読むか」をセットで覚えるのがコツ。

PER

入門最重要
ぴーいーあーる / price earnings ratio|ジャンル:株価指標・企業分析

一言で株価が1株利益(EPS)の何倍かを表す指標。株価÷EPS。“割高・割安の温度計”。

たとえると:会社の利益を何年分買う価格か、という値札に近い。PER10倍なら現在の利益10年分、30倍なら30年分の価格を払うイメージ。ただし成長率や業種が違えば単純比較はできない。

くわしく利益に対して株価が何倍まで買われているか。低いほど割安、高いほど期待が乗る、が基本。ただし業種や成長性で適正水準は違う。

1年の利益株価=利益の◯年分(例:15年→PER15倍)
例:株価1,500円・EPS100円ならPER15倍。
間違えやすい点:「PERが低い=お買い得」とは限らない。業績悪化や将来不安で低い(=割安の罠)こともある。
数字は「同業他社との比較」で使う

PERは全業種を同じ基準で比べない。2026年6月末の東証プライム業種別PERでは、石油・石炭製品は約10.5倍、鉄鋼は約11.7倍、輸送用機器は約14.1倍だった一方、機械は約25.2倍、精密機器は約26.9倍、電気機器は約35.2倍だった。

PERの見え方使い方
同業平均より低い割安候補。ただし減益予想・一時利益・構造不安を確認する。
同業平均と同程度利益成長率、ROE、配当など別の指標で差を探す。
同業平均より高い高成長や高収益への期待が織り込まれている。期待未達時の下落に注意。

例:電気機器A社がPER22倍なら、市場全体だけを見ると高く見えても、同業平均35倍前後との比較では相対的に低い。ただしA社の利益が来期30%減る予想なら、見かけの低PERにすぎない可能性がある。

参考:JPX「規模別・業種別PER・PBR」2026年6月末データを基にした業種比較。数値は時点により変動する。
関連:EPSPBR割安性

PBR

入門最重要
ぴーびーあーる / price book-value ratio|ジャンル:株価指標・企業分析

一言で株価が1株純資産(BPS)の何倍かを表す指標。株価÷BPS。解散価値との比較。

たとえると:会社の純資産という「持ち物」に対して、株価が何倍で評価されているか。中古店で帳簿上100万円の資産を80万円で買える状態がPBR0.8倍に近いが、資産の質が悪ければ割安とは限らない。

くわしく1倍が“純資産どおり”の目安。1倍割れは、市場が「資産を活かせていない」と見ているサインでもある。

1倍ライン純資産株価1倍割れ
例:株価800円・BPS1,000円ならPBR0.8倍(1倍割れ)。
間違えやすい点:「1倍割れ=即お得」ではない。ROEが低いと万年割安のまま放置されることも(→第3弾の資本コスト)。
PBRはROEとセットで読む
状態読み方
PBR1倍未満・ROEも低い資産を十分に利益へ変えられていない可能性。単純な割安とは限らない。
PBR1倍未満・ROEが改善中再評価候補。利益率改善、自社株買い、事業売却などの施策を確認する。
PBR2倍以上・高ROE高い資本効率や成長期待への評価。成長が鈍ると倍率低下のリスクがある。

例:BPS2,000円、株価1,600円ならPBR0.8倍。ROEが3%のままなら低評価が続くこともあるが、ROEを8%へ引き上げる計画と実績が伴えば、PBRが見直される材料になる。

関連:BPSROEPER

ROE

入門最重要
あーるおーいー / return on equity|ジャンル:株価指標・企業分析

一言で自己資本をどれだけ効率よく利益に変えたか。純利益÷自己資本。資本効率の代表。

たとえると:株主が出した100円を、会社が1年間で何円の利益に変えたかを見る成績表。ROE10%なら、株主資本100円から約10円を稼いだイメージ。

くわしく株主のお金でどれだけ稼いだか。8〜10%以上が一つの目安。高ROEは評価されやすいが、借金で高めている場合もあるので中身を見る。

純利益自己資本ROE(%)
例:純利益14億・自己資本100億ならROE14%。
間違えやすい点:高ROEでも、借入を増やして自己資本を薄くしただけのことがある。自己資本比率と併せて見る。
ROEは8%を絶対基準にしない

一般に8〜10%は一つの確認線だが、業種で水準が異なる。JPXの2025年3月期集計では、証券・商品先物取引業は約9.94%、保険業は約13.81%、その他金融業は約8.87%だった。

ROE初心者向けの読み方
5%未満資本効率が低い可能性。改善策と過去推移を確認。
8〜12%程度一定の効率性。業種平均や株主資本コストを上回るかを見る。
15%超高収益の可能性。ただし借入増加、自社株買い、一時利益で押し上げられていないか確認。

例:ROE18%でも自己資本比率が15%しかない会社と、ROE13%・自己資本比率60%の会社では、後者の方が安定的な収益力を持つ場合がある。

参考:JPX「2025年3月期 決算短信集計(連結)」業種別集計。

ROA

基礎
あーるおーえー / return on assets|ジャンル:株価指標・企業分析

一言で総資産をどれだけ効率よく利益に変えたか。純利益÷総資産。借入も含めた効率。

たとえると:会社が持つすべての資産を使って、どれだけ利益を生んだかを見る。工場・在庫・現金を含む道具一式100円で5円稼げば、ROAはおおむね5%。
ROAで「会社全体の資産効率」を見る

例:純利益50億円、総資産1,000億円ならROAは5%。同じROE15%でも、ROAが高い会社は借入に頼らず効率よく稼いでいる可能性が高い。

銀行のように総資産が大きい業種と、ソフトウェア企業のように資産が軽い業種では水準が大きく違うため、同業比較と3〜5年の推移に使う。

関連:ROE

EPS

入門最重要
いーぴーえす / earnings per share|ジャンル:株価指標・企業分析

一言で1株あたり利益。純利益÷発行済株式数。PERの計算にも使う中心の数字。

たとえると:会社の利益というピザを、発行済み株式数で均等に切った「1株分の取り分」。利益が同じでも株数が増えると、一切れ当たりのEPSは小さくなる。

くわしく1株が生む利益。増資で薄まり、自社株買いで増える。EPSの伸びは株価上昇の土台。

純利益÷発行済み株式数EPS1株の利益
例:純利益140億・株式数1億株ならEPS140円。
EPSは株価の土台

例:株価2,000円、EPS100円ならPER20倍。翌期EPSが125円へ25%増え、株価が同じならPERは16倍へ下がる。株価が動かなくても利益成長で割高感が薄れる。

自社株買いで発行株数が減ると、純利益が同じでもEPSが上がることがあるため、売上・営業利益の成長も確認する。

関連:PERBPS/希薄化(→第3弾)

BPS

基礎
びーぴーえす / book value per share|ジャンル:株価指標・企業分析

一言で1株あたり純資産。自己資本÷発行済株式数。PBRの計算に使う。

たとえると:会社を解散して帳簿上の純資産を株主に分けると仮定したときの、1株当たりの持ち分。家の純資産を家族の人数で割るような考え方。
BPSは「1株当たりの純資産」

例:自己資本500億円、発行株式数5,000万株ならBPSは1,000円。株価800円ならPBR0.8倍となる。

BPSが毎年増えている会社は利益の蓄積が進んでいる。一方、赤字や大型減損で純資産が減るとBPSも低下する。

関連:PBR純資産

株主資本コスト

応用
かぶぬししほんこすと / cost of equity|ジャンル:株価指標・企業分析

一言で株主が期待する最低限のリターン。これを上回るROEでないと価値を生まない。

くわしく無リスク金利+リスクに応じた上乗せ(=β×株式リスクプレミアム)で考える。詳しくは資本コストの記事。

株主資本コストとの比較

例:株主資本コストが8%と見積もられる会社でROEが5%なら、株主が求める収益率を下回る。ROE12%なら4ポイント上回り、企業価値を生みやすい状態と考えられる。

推計値なので一点の数字を断定せず、会社開示や複数の前提を比較する。

営業利益率

基礎
えいぎょうりえきりつ / operating margin|ジャンル:株価指標・企業分析

一言で営業利益÷売上高。本業でどれだけ効率よく稼げているかの収益性指標。

たとえると:100円売ったとき、本業から何円残るかを見る。営業利益率10%なら、売上100円に対して本業の利益が10円残るイメージ。

くわしく高いほど価格競争力や仕組みが強い。同業と比べると差が見える。

営業利益率の使い方

例:売上高1,000億円、営業利益80億円なら営業利益率8%。翌年に売上が10%増えて1,100億円、営業利益が110億円なら10%へ改善し、売上以上に利益が伸びている。

小売業とソフトウェア業では通常の利益率が異なるため、同業比較と前年差で見る。

粗利益率

基礎
あらりえきりつ / gross margin|ジャンル:株価指標・企業分析

一言で売上総利益÷売上高。商品・サービスそのものの儲けの厚さ。

粗利益率から価格競争力を見る

例:売上100億円、売上原価60億円なら粗利益40億円、粗利益率40%。原材料高でも販売価格を上げ、40%を維持できれば価格転嫁力があると判断しやすい。

関連:原価率

原価率

基礎
げんかりつ|ジャンル:株価指標・企業分析

一言で売上原価÷売上高。低いほど粗利が厚い。

原価率は低下だけが正解ではない

例:売上100億円、原価70億円なら原価率70%。翌年に高付加価値商品が増えて65%へ下がれば収益改善。一方、品質や研究開発を削って下がった場合は長期競争力を損なうこともある。

関連:粗利益率

総資産回転率

応用
そうしさんかいてんりつ / asset turnover|ジャンル:株価指標・企業分析

一言で売上高÷総資産。資産をどれだけ効率よく売上に変えているか。

総資産回転率で資産の重さを見る

例:売上1,200億円、総資産800億円なら1.5回。総資産1,500億円で同じ売上なら0.8回。一般に高いほど少ない資産で売上を作れているが、工場や不動産を多く使う業種は低くなりやすい。

在庫回転率

応用
ざいこかいてんりつ|ジャンル:株価指標・企業分析

一言で在庫がどれだけ速く売れて入れ替わるか。高いほど効率が良い。

在庫回転率の変化を警戒する

例:売上原価600億円、平均在庫100億円なら6回。翌年に在庫が150億円へ増え、4回へ低下した場合、売れ残りや需要鈍化の可能性を確認する。

売掛金回転率

応用
うりかけきんかいてんりつ|ジャンル:株価指標・企業分析

一言で売掛金がどれだけ速く回収されるかの指標。

売掛金の回収速度を見る

例:年間売上1,200億円、平均売掛金200億円なら回転率6回、単純換算の回収期間は約61日。売上が変わらないのに回収期間が90日へ延びた場合、取引先の支払い遅延を確認する。

EBITDA

応用
いーびっとだー|ジャンル:株価指標・企業分析

一言で営業利益に減価償却費などを足し戻した、現金稼得力に近い利益。国際比較に使う。

たとえると:店舗の稼ぐ力を、建物の減価償却や利払いなどの違いをいったん外して比べる指標。持ち家の店と賃貸の店を、営業そのものの力に近い形で比較する感覚。

くわしく設備投資が重い会社や海外企業の比較で便利。

EBITDAは設備投資型企業の比較に便利

例:営業利益100億円、減価償却費50億円なら概算EBITDAは150億円。工場や通信設備への投資が大きく、減価償却費が会社ごとに違う場合の稼ぐ力を比べやすい。

設備更新に必要な支出を無視するため、フリーキャッシュフローと併用する。

EBIT

応用
いーびっと|ジャンル:株価指標・企業分析

一言で利払い・税引き前利益。営業利益に近い概念。

EBITは本業と資金調達を分けて見る

例:税引前利益90億円、支払利息10億円なら概算EBITは100億円。借入額や税率が異なる企業の事業利益を比較する際に使える。

EBITDAマージン

応用
いーびっとだーまーじん|ジャンル:株価指標・企業分析

一言でEBITDA÷売上高。現金ベースの収益性。

EBITDAマージンの例

例:売上高1,000億円、EBITDA200億円なら20%。前年15%から改善していれば、価格改定や高採算商品の増加が効いている可能性がある。

関連:EBITDA

割安性

基礎
わりやすせい|ジャンル:株価指標・企業分析

一言で利益や資産に比べて株価が安いかどうか。PER・PBRで見る。

割安性は複数指標で確認

例:PER10倍・PBR0.7倍でも、利益が毎年減りROE3%なら割安の罠かもしれない。PER14倍・PBR1.3倍でも、ROE12%で利益成長が続く会社の方が合理的に安い場合がある。

関連:PERPBR

収益性

基礎
しゅうえきせい / profitability|ジャンル:株価指標・企業分析

一言でどれだけ効率よく利益を生めているか。ROE・利益率などで見る分析の柱。

収益性の確認順

営業利益率で本業、ROAで総資産、ROEで株主資本の効率を見る。例:営業利益率10%・ROA7%・ROE14%が数年安定していれば、単年だけ高い会社より再現性を評価しやすい。

関連:成長性安全性

成長性

基礎
せいちょうせい / growth|ジャンル:株価指標・企業分析

一言で売上や利益が今後どれだけ伸びるか。売上成長率・利益成長率で見る。

成長性は売上と利益を分ける

例:売上成長率5%でも営業利益が20%増えていれば利益率改善型。売上30%増でも利益が横ばいなら、広告費や人件費が先行している可能性がある。

関連:収益性CAGR

収益構造

応用
しゅうえきこうぞう|ジャンル:株価指標・企業分析

一言で何で・どこで・どれだけ稼いでいるかの利益の内訳・仕組み。

収益構造を数字で分解

例:売上の70%が一度きりの販売、30%が継続課金なら景気変動を受けやすい。継続課金比率が60%へ上がれば、翌期売上の見通しが立てやすくなる。

事業ポートフォリオ

応用
じぎょうぽーとふぉりお|ジャンル:株価指標・企業分析

一言で会社が持つ複数事業の組み合わせ。稼ぎ頭と将来の柱を見る。

事業ポートフォリオの例

例:半導体事業が利益の80%を占める会社は市況変動に弱い。安定した保守サービスが30%まで育てば、半導体不況時の利益変動を和らげられる。

セグメント

基礎
せぐめんと / segment|ジャンル:株価指標・企業分析

一言で事業や地域ごとに区分した業績の単位。どこで稼いでいるかが分かる。

たとえると:総合スーパーの食品・衣料・家電売場を別々に採点するようなもの。会社全体が好調でも、どの事業が稼ぎ、どの事業が足を引っ張っているかを確認できる。
セグメントは会社全体より先に見る

例:全社売上が5%増でも、主力事業が10%減り、新規事業だけが伸びている場合がある。各事業の売上・利益・利益率を分けて確認する。

セグメント利益

基礎
せぐめんとりえき|ジャンル:株価指標・企業分析

一言で事業セグメントごとの利益。会社の“稼ぎ頭”が見える。

セグメント利益の例

例:A事業は売上500億円・利益50億円、B事業は売上300億円・利益3億円。売上規模だけでなく利益率を見ると、A事業が全社利益を支えていると分かる。

市場シェア

基礎
しじょうしぇあ / market share|ジャンル:株価指標・企業分析

一言である市場で自社が占める割合。競争力の目安。

市場シェアの使い方

例:市場全体が年5%縮小していても、企業売上が横ばいならシェアは上昇している。反対に市場が20%成長する中で売上10%増なら、シェアを失っている可能性がある。

売上成長率

基礎
うりあげせいちょうりつ|ジャンル:株価指標・企業分析

一言で売上が前年からどれだけ伸びたかの割合。成長の勢いを示す。

売上成長率の例

例:売上100億円から120億円なら20%増。買収で増えたのか、既存事業の販売増なのかを分けるため、可能ならオーガニック成長率も確認する。

利益成長率

基礎
りえきせいちょうりつ|ジャンル:株価指標・企業分析

一言で利益が前年からどれだけ伸びたかの割合。

利益成長率は一時要因を除く

例:純利益が50億円から100億円なら100%増だが、前年だけ特別損失があった場合は本業改善とは限らない。営業利益の推移と合わせて使う。

CAGR

応用
しーえーじーあーる|ジャンル:株価指標・企業分析

一言で年平均成長率。数年の伸びを“ならして1年あたり”に直した割合。

CAGRで複数年の成長をならす

例:売上100億円が5年後に161億円ならCAGRは約10%。途中の年ごとの凸凹をならし、長期成長の速度を比較できる。

LTV

応用
えるてぃーぶい / lifetime value|ジャンル:株価指標・企業分析

一言で顧客1人が生涯にもたらす利益。サブスク企業の分析で重要。

LTVの例

例:月額粗利益2,000円、平均継続期間24か月なら単純LTVは4万8,000円。解約率や追加購入を含める計算方法は企業ごとに異なる。

CAC

応用
しーえーしー|ジャンル:株価指標・企業分析

一言で顧客を1人獲得するのにかかった費用。LTVと比べて採算を見る。

CACの例

例:広告・営業費1,000万円で新規顧客500人を獲得したならCACは2万円。LTVが4万8,000円なら、回収期間や固定費を考慮して採算を判断する。

関連:LTV

ユニットエコノミクス

応用
ゆにっとえこのみくす / unit economics|ジャンル:株価指標・企業分析

一言で顧客1人あたりの採算(LTVとCACの関係)。成長企業の“稼ぐ体質”を測る。

ユニットエコノミクスの判断例

例:LTV4万8,000円、CAC2万円ならLTV/CACは2.4倍。一般に高いほど良いが、獲得を絞りすぎて成長機会を逃していないかも見る。

関連:LTVCAC
この章の要点:PER/PBR/ROE/ROA/EPS/BPS/株主資本コスト は最低限おさえておきたい。
5. 業績予想と市場予想
株価は“実績”より“予想と現実のギャップ”で動く。会社の予想、プロの予想(コンセンサス)、そして上方・下方修正やサプライズを押さえると、決算での値動きが読みやすくなる。

業績予想

基礎最重要
ぎょうせきよそう / earnings guidance|ジャンル:業績予想と市場予想

一言で会社や市場が見込む、今後の売上・利益の予想。株価はこの予想を織り込んで動く。

くわしく決算では“実績と予想の差”が最重要。予想を上回れば買われ、下回れば売られやすい。

会社予想

基礎
かいしゃよそう / company guidance|ジャンル:業績予想と市場予想

一言で会社自身が公表する今期の業績見通し。決算短信に載る。

会社計画

基礎
かいしゃけいかく|ジャンル:業績予想と市場予想

一言で会社が示す年間の業績計画。会社予想とほぼ同義。

関連:会社予想

市場予想

基礎
しじょうよそう|ジャンル:業績予想と市場予想

一言でアナリストなど市場参加者が見込む業績予想。会社予想と食い違うこともある。

コンセンサス

基礎最重要
こんせんさす / consensus|ジャンル:業績予想と市場予想

一言で複数アナリストの予想を平均した“市場の期待値”。決算はこれと比べて評価される。

くわしく実績や会社予想がコンセンサスを上回るか下回るかで、株価は大きく動く。

c o
関連:「会社予想を上回った=上がる」とは限らない。市場のコンセンサスを超えていなければ売られることもある。

上方修正

入門最重要
じょうほうしゅうせい / upward revision|ジャンル:業績予想と市場予想

一言で会社が業績予想を上ぶれ方向に引き上げること。ポジティブサプライズになりやすい。

くわしく好調を裏づける材料で、株価の上昇要因。ただし“織り込み済み”だと反応が薄いことも。

会社予想上方修正下方修正

下方修正

入門最重要
かほうしゅうせい / downward revision|ジャンル:業績予想と市場予想

一言で会社が業績予想を下ぶれ方向に引き下げること。売り材料になりやすい。

くわしく計画未達のサイン。株価の下落要因だが、悪材料出尽くしで逆に上がることもある。

会社予想上方修正下方修正
関連:上方修正

業績予想修正

基礎
ぎょうせきよそうしゅうせい|ジャンル:業績予想と市場予想

一言で会社が一度出した予想を、後から上下に見直すこと。株価が動きやすい。

織り込み済み

基礎
おりこみずみ / priced in|ジャンル:業績予想と市場予想

一言でその情報がすでに株価に反映されている状態。好材料でも上がらない一因。

くわしく「良い決算なのに下がった」の多くはこれ。期待が先に株価へ入っていた、ということ。

関連:期待先行/サプライズ決算

サプライズ決算

基礎
さぷらいずけっさん / earnings surprise|ジャンル:業績予想と市場予想

一言で予想(コンセンサス)を大きく外れた決算。上振れは急騰、下振れは急落を招く。

進捗率

基礎
しんちょくりつ|ジャンル:業績予想と市場予想

一言で通期予想に対して、今どこまで達成したかの割合。四半期決算の評価に使う。

くわしく上期で通期計画の6割達成なら、上ぶれ(上方修正)期待が高まる、といった読み方。

前年同期比

入門
ぜんねんどうきひ / YoY|ジャンル:業績予想と市場予想

一言で前の年の同じ時期と比べた増減。季節性をならして成長を見る基本のものさし。

関連:前期比

前期比

基礎
ぜんきひ / QoQ|ジャンル:業績予想と市場予想

一言で直前の期(前四半期など)と比べた増減。

通期予想

基礎
つうきよそう / full-year guidance|ジャンル:業績予想と市場予想

一言で1年間(通期)の業績予想。進捗率の分母になる。

関連:進捗率

通期業績

基礎
つうきぎょうせき|ジャンル:業績予想と市場予想

一言で1年間トータルの実績。

中間業績

基礎
ちゅうかんぎょうせき|ジャンル:業績予想と市場予想

一言で上半期(中間期)の業績。

四半期業績

基礎
しはんきぎょうせき|ジャンル:業績予想と市場予想

一言で3か月ごとの業績。

受注高

応用
じゅちゅうだか / orders received|ジャンル:業績予想と市場予想

一言でその期間に受けた注文の金額。将来の売上の先行指標。

関連:受注残高

受注残高

応用
じゅちゅうざんだか / order backlog|ジャンル:業績予想と市場予想

一言でまだ売上になっていない受注の残り。将来の売上の裏づけ。

バックログ

応用
ばっくろぐ / backlog|ジャンル:業績予想と市場予想

一言で受注残高のこと。積み上がっているほど将来の売上が見込める。

関連:受注残高

稼働率

応用
かどうりつ / utilization|ジャンル:業績予想と市場予想

一言で設備や工場がどれだけ動いているかの割合。景気の体温計。

客単価

基礎
きゃくたんか|ジャンル:業績予想と市場予想

一言で顧客1人(1回)あたりの平均購入額。小売・外食の分析で重要。

販売数量

基礎
はんばいすうりょう|ジャンル:業績予想と市場予想

一言で売れた個数。単価×数量で売上を分解して見る。

解約率

応用
かいやくりつ / churn rate|ジャンル:業績予想と市場予想

一言でサブスクで、一定期間に解約した顧客の割合。低いほど安定。

関連:継続率

継続率

応用
けいぞくりつ / retention|ジャンル:業績予想と市場予想

一言で契約を続けている顧客の割合。高いほど収益が安定。

関連:解約率

ARPU

応用
あーぷ|ジャンル:業績予想と市場予想

一言でユーザー1人あたりの平均売上。通信・サブスクの成長を見る指標。

この章の要点:業績予想/会社予想/市場予想/コンセンサス/上方修正/下方修正/業績予想修正 は最低限おさえておきたい。
6. 株主還元と資本効率
稼いだ利益を、どれだけ・どんな形で株主に返すか。配当と自社株買いが二本柱。近年は「資本を効率よく使う(ROE重視)」姿勢も強く問われる。

配当性向

基礎最重要
はいとうせいこう / payout ratio|ジャンル:株主還元と資本効率

一言で純利益のうち、配当に回した割合。配当÷純利益。還元の積極度を示す。

くわしく高いほど株主に手厚いが、高すぎると成長投資や不況耐性が心配。30〜40%が一つの目安。

純利益配当に回す分社内に残す分(内部留保)
例:純利益100億・配当30億なら配当性向30%。
間違えやすい点:高配当性向が続くとは限らない。減益時に無理な配当は、いずれ減配につながる。

配当方針

基礎
はいとうほうしん / dividend policy|ジャンル:株主還元と資本効率

一言で会社が示す配当の考え方(配当性向◯%目安、累進配当など)。

関連:累進配当DOE

総還元性向

応用
そうかんげんせいこう / total payout ratio|ジャンル:株主還元と資本効率

一言で配当と自社株買いを合わせて、純利益のどれだけを株主に返したか。

関連:配当性向/自社株買い(→第3弾)

累進配当

基礎
るいしんはいとう / progressive dividend|ジャンル:株主還元と資本効率

一言で減配せず、配当を維持または増配し続ける方針。株主に安心感を与える。

関連:増配(→第1弾)/配当維持

DOE

応用
でぃーおーいー / dividend on equity|ジャンル:株主還元と資本効率

一言で自己資本配当率。自己資本に対する配当の割合。安定配当の基準に使う。

配当維持

基礎
はいとういじ|ジャンル:株主還元と資本効率

一言で前期と同じ配当を続けること。

関連:累進配当

株主還元

入門
かぶぬしかんげん / shareholder return|ジャンル:株主還元と資本効率

一言で配当や自社株買いで、利益を株主に返すこと全般。近年ますます重視される。

くわしく還元と成長投資のバランスが経営の腕の見せどころ。ROEや資本効率の議論とも直結する。

この章の要点:配当性向/配当方針/総還元性向/累進配当/株主還元 は最低限おさえておきたい。
ほかの編:
1. 売買と基本 →2. 決算・財務・指標(今ここ)3. 信用・増資・M&A・応用 →
本ページは一般的な用語解説であり、特定の商品・銘柄の売買を推奨するものではない。制度や数値は変わることがあるため、最新は公式情報(金融庁・日本取引所グループ・国税庁 等)で確認してほしい。図はすべて編集部が作図(画像の転載ではない)。
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